はじめに
今回はマスターデュエルで高い人気・実力がある、「ドライトロン(竜輝巧)」の対策カードを紹介していきます。まずは、ドライトロンの強みを説明し、その対策を解説していきます。
それではまず、ドライトロンの強みから見ていきましょう!
ドライトロンの強み
ドライトロンの強みは次の3つに分かれます。それぞれ見ていきましょう。
「崇光なる宣告者」、「神光の宣告者」による妨害
まず1つ目は「ドライトロン」デッキのメイン妨害モンスターである、「崇光なる宣告者」「神光の宣告者」の妨害力です。使用する人によってどちらのモンスターを採用しているかは変わるのですが、どちらも共通して「手札から天使族を墓地へ送って発動する」妨害効果を持っています。
![]() | 「宣告者の神託」により降臨。このカードは儀式召喚でしか特殊召喚できない。 ①:手札から天使族モンスター1体を墓地へ送って以下の効果を発動できる。 ●相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。 ●相手がモンスターを特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。 |
![]() | 「宣告者の預言」により降臨。 ①:相手がモンスターの効果・魔法・罠カードを発動した時、手札から天使族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。その発動を無効にし破壊する。 |
手札に天使族がある場合、1ターンに何度でも、また同一チェーン上でも妨害できるため凶悪なカードとなっています。また後述する「イーバ」の効果によって最大2枚天使族モンスターをデッキから手札に加えられるため、安定して効果を発動できる点も強力なデッキとなっている理由の1つです。
「イーバ」の効果で天使族モンスターを最大2体までサーチできる
次は「イーバ」の効果による妨害カードのサーチです。
![]() | このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。 ①:このカードが墓地へ送られた場合、このカード以外の自分のフィールド・墓地の天使族・光属性モンスターを2体まで除外して発動できる。除外した数だけ、デッキから「イーバ」以外のレベル2以下の天使族・光属性モンスターを手札に加える(同名カードは1枚まで)。 |
この効果でよく手札に加えられるカードが、「朱光の宣告者」と「宣告者の神巫」です。
![]() | ①:相手がモンスターの効果を発動した時、手札からこのカードと天使族モンスター1体を墓地へ送って発動できる。その発動を無効にし破壊する。 |
![]() | このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。 ①:このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合に発動できる。デッキ・EXデッキから天使族モンスター1体を墓地へ送る。このカードのレベルはターン終了時まで、そのモンスターのレベル分だけ上がる。 ②:このカードがリリースされた場合に発動できる。手札・デッキから「宣告者の神巫」以外のレベル2以下の天使族モンスター1体を特殊召喚する。 |
「朱光の宣告者」が手札にあることによって、「崇光なる宣告者」または「神光の宣告者」の効果のコストや、それらがフィールド上にいなくなっても、自身の効果で妨害を行うことが可能になっています。また「宣告者の神巫」も次のターンのリソース確保や、「旧神ヌトス」を墓地に落とすことによるフィールドのカード破壊効果も活用することが出来ます。
墓地の「ドライトロン」モンスターが次のターンのリソースになる
最後が、展開後の自分のターンに墓地の「ドライトロン」モンスターが活用できる点です。
遊戯王を遊んだことのある人の中には、強いデッキとは「相手フィールドを捲られても巻き返すことのできるデッキ」と感じた人がいるかもしれません。「ドライトロン」のすべての効果モンスターは墓地で発動できる固有の効果を持っています。
モンスター名 | 効果 |
竜輝巧-バンα | デッキから儀式モンスター1体を手札に加える |
竜輝巧-エルγ | 自分の墓地から「竜輝巧-エルγ」以外の 攻撃力2000の「ドライトロン」モンスター1体を選んで特殊召喚 |
竜輝巧-アルζ | デッキから儀式魔法カード1枚を手札に加える |
竜輝巧-ルタδ | 手札の儀式モンスター1体または 儀式魔法カード1枚を相手に見せて自分はデッキから1枚ドロー |
これらの効果によって、一度不利な状況になってもイーブンな状況に持っていくことが出来ます。
まとめ
これら3つの点が『ドライトロン』の強みだと考えております。どれも強力であり、一度展開を通されてしまうと、一気に勝敗が決してしまうこともあります。そこでこの強みを打ち消すための対策をそれぞれ挙げていきたいと思います。
最強の対策カード
前述したように『ドライトロン(竜輝巧)』は強力なデッキです。しかしそんなデッキであっても1枚で相手を機能不全に追い込むことが出来るカードを紹介いたします。それが「結界像」モンスターです。
結界像モンスター【光属性以外】



「結界像」には火・水・風・地・光・闇の6つの属性が存在し、それぞれ「このカードがモンスターゾーンに存在する限り、お互いに自身と同じ属性のモンスターしか特殊召喚できない」という効果を持っています。攻撃力:1000 守備力:1000 と頼りないステータスをしていますが、このステータスでも「ドライトロン」相手であれば問題ありません。
なぜならば、『ドライトロン』下級モンスターは通常召喚できず、『ドライトロン』デッキには、攻撃力が1000以上のモンスターが採用されていないことがほとんどだからです。また、属性も「増殖するG」と「灰流うらら」以外のモンスターが光属性となっているため、「閃光の結界像」以外の結界像であれば1枚で機能不全に追い込むことが出来ます。
『ドライトロン』デッキが巻き返すためには、「宣告者の神巫」の召喚・特殊召喚に成功した場合の効果で墓地へ送って発動する「旧神ヌトス」の効果しかありません。
『鉄獣戦線』デッキでは、「烈風の結界像」が採用されていることもあるので、『鉄獣戦線』を使用している方は『ドライトロン』デッキと対戦するときに頭に入れておくとよいかもしれません。
【対策①】全体の動き
まずは、『ドライトロン』デッキの動き方や儀式デッキの特徴に対しての対策カードを紹介していきます。
ドロール&ロックバード
![]() | ①:相手がドローフェイズ以外でデッキからカードを手札に加えた場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。このターン、お互いにデッキからカードを手札に加える事はできない。この効果は相手ターンでも発動できる。 |
『ドライトロン』はサーチを繰り返して展開していくテーマです。そのため、1回のサーチで抑えられるこのカードは、「灰流うらら」以上に『ドライトロン』の天敵といえます。
霧の王
![]() | このカードを召喚する場合、リリース1体またはリリースなしで召喚できる。このカードの攻撃力は、アドバンス召喚時にリリースしたモンスターの元々の攻撃力を合計した数値になる。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、お互いにカードをリリースできない。 (*マスターデュエルでのテキストを参照した) |
お互いにカードをリリースできない状態にするカードです。リリースなしであれば攻撃力が0なため、『ドライトロン』モンスター以外の低い攻撃力のモンスターにも破壊されてしまうのですが、召喚できてしまえば相手は儀式モンスターを召喚できなくなり、『ドライトロン』モンスターの効果も発動できなくなります。
生贄封じの仮面
![]() | ①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いにカードをリリースできない。 |
このカードも「霧の王」と同じようにリリースできない状態にするカードです。このカードによって、相手は儀式モンスターを召喚できなくなり、『ドライトロン』モンスターの効果も発動できなくなります。「霧の王」と異なり、永続罠カードなため、破壊される機会がより少なくなっています。
次元障壁
![]() | このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。 ①:モンスターの種類(儀式・融合・S・X・P)を1つ宣言して発動できる。このターン中、以下の効果を適用する。 ●お互いに宣言した種類のモンスターを特殊召喚できず、フィールドの宣言した種類のモンスターの効果は無効化される。 |
リンク召喚以外の特別な召喚方法の1つをそのターン中行えなくさせる通常罠カードです。『ドライトロン』以外のほとんどのデッキが相手であっても機能しやすいことがポイントです。相手の儀式魔法カード発動にチェーンして発動することをお勧めします。「崇光なる宣告者」、「神光の宣告者」に対しては実感がわかないのですが、特殊召喚できなくなるだけでなくその特殊召喚法のモンスター効果が無効化されるため、すでに場に出ているときにも有効なカードになっています。
【対策②】「崇光なる宣告者」、「神光の宣告者」の除去
「崇光なる宣告者」、「神光の宣告者」はカードの発動や特殊召喚に反応して妨害を行うカードです。そのためこれらのカードを除去するには、カードの効果を発動せずに除去するか、チェーンを組めないカードで除去するかの2択になります。その条件に合致したカードを紹介していきます。
壊獣モンスター


まずは、相手のモンスターをリリースして特殊召喚できる効果を持つ『壊獣』テーマのカードたちです。「崇光なる宣告者」、「神光の宣告者」はどちらも強力な妨害効果を持っていますが、『壊獣』モンスターは効果の発動をせず、相手モンスターのリリースと特殊召喚を同じ処理で行うため簡単に除去することが可能です。
『鉄獣戦線』デッキで「烈風の結界像」が採用されていることも多いため、攻撃力が最も低い「海亀壊獣ガメシエル」だけでなく、結界像を除去できる「怪粉壊獣ガダーラ」を採用してみるとよいでしょう。
超融合・沼地のドロゴン


相手のモンスターを融合素材にできるチェーンの組めない速攻魔法と、「超融合」で融合召喚するモンスターです。光属性・天使族の「崇光なる宣告者」、「神光の宣告者」と光属性・機械族の『ドライトロン』モンスター、「ユニオン・キャリアー」などを融合素材にして融合召喚できる「沼地のドロゴン」を一緒に採用することで簡単に除去できます。
また、「超融合」はほかのテーマと戦う際にも有効な融合モンスターが存在するため、積極的に採用してみても良いでしょう。
【対策③】「イーバ」の墓地効果
「イーバ」は自身が墓地へ送られた際、フィールド・墓地の天使族モンスターを2体まで除外して発動するカードです。そこで、除外できなくするカードを対策カードとしています。また、ここで紹介しているカードだけでなく次の項目【対策④】にも「イーバ」の対策カードを載せています。
アーティファクト・ロンギヌス
![]() | ①:このカードは魔法カード扱いとして手札から魔法&罠ゾーンにセットできる。 ②:魔法&罠ゾーンにセットされたこのカードが相手ターンに破壊され墓地へ送られた場合に発動する。このカードを特殊召喚する。 ③:相手ターンに、手札・フィールドのこのカードをリリースして発動できる。このターン、お互いにカードを除外できない。 |
手札・フィールドからリリースして除外できない状態にできるため、先攻、後攻どちらでも持っていれば役に立つカードになっています。現在マスターデュエルで猛威を振るっている『幻影騎士団』『電脳堺』『鉄獣戦線』『ドライトロン』これら全てのデッキで莫大な威力を発揮するため、取り敢えずの採用でも機能する場面が多くなっています。
王家の眠る谷-ネクロバレー
![]() | ①:フィールドの「墓守」モンスターの攻撃力・守備力は500アップする。 ②:このカードがフィールドゾーンに存在する限り、お互いに墓地のカードを除外できず、墓地のカードへ及ぶ効果は無効化され、適用されない。 |
墓地のカードへ及ぶ効果というなかなか見かけない効果なため分かりずらいのですが、墓地のカードを対象にとることが出来ないという解釈でまずは大丈夫です。フィールド魔法なため、「テラフォーミング」や「メタバース」などサーチする手段がいくつかある点が特徴になっています。
王宮の鉄壁
![]() | ①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いにカードを除外できない。 |
「王家の眠る谷-ネクロバレー」とほとんど同じ効果なのですが、このカードの場合手札やデッキからも除外することができないという特徴があります。
【対策④】墓地へ行かず除外する、墓地のカード効果の発動不可
『ドライトロン』デッキの構築を見てみると、ほとんどのモンスターの効果が墓地に送られた場合や墓地へ送って発動などの効果になっています(「イーバ」や「崇光なる宣告者」、「神光の宣告者」)。遊戯王では○○して発動という処理を「コストを払って発動」という言い方をするのですが、すでに墓地へ行かず除外される状態になっているとその効果の発動が出来ないというルールがあります。このルールを使った対策カードを紹介していきます。
また、『ドライトロン』下級モンスター、儀式魔法は墓地でも効果を発動でき、それが安定的なリソースになっているため、それを断つための対策にもなっています。
閃光の追放者
![]() | このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へは行かずゲームから除外される。 |
下級モンスターであり効果を発動せず、通常召喚できる点が大きな特徴となっています。この1枚だけで展開を止められるわけではありませんが、『ドライトロン』下級モンスターは特殊召喚する際守備表示であり、儀式魔法を使用するとリリースするモンスターカードと儀式魔法が除外されるため、最低限の活躍はしてくれます。
ディメンション・アトラクター
![]() | ①:自分の墓地にカードが存在しない場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。次のターンの終了時まで、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。この効果は相手ターンでも発動できる。 |
使用できる条件が限られていますが、その分強力なカードになっています。相手ターンに発動できるため、発動できるタイミングがあればすぐに発動してもよいでしょう。
次元の裂け目
![]() | ①:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、お互いの墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。 |
モンスターのみの制限はありますが、自分のターンにすぐ発動できる点が特徴となっています。
異次元グランド
![]() | ①:このターン、墓地へ送られるモンスターは墓地へは行かず除外される。 |
通常罠カードであるため、自分には影響がないように立ち回ることが出来ます。
ソウルドレイン
![]() | 1000ライフポイントを払って発動できる。このカードがフィールド上に存在する限り、ゲームから除外されているモンスターの効果及び墓地に存在するモンスターの効果は発動できない。 |
『ドライトロン』モンスターの墓地効果や「イーバ」、「宣告者の神巫」の効果でEXデッキから墓地へ送られるモンスターの効果を発動できなくすることが出来ます。そのため、ここで紹介している墓地へ送らず除外するカードと組み合わせることでより強力な力を発揮します。
マクロコスモス
![]() | ①:このカードの発動時の効果処理として、手札・デッキから「原始太陽ヘリオス」1体を特殊召喚できる。 ②:このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、墓地へ送られるカードは墓地へは行かず除外される。 |
「異次元グランド」と似た効果ですが、永続罠カードでカードの種類に制限がないことが特徴です。
さいごに
いかがだったでしょうか。強力なデッキである『ドライトロン』の対策を考える参考になれば幸いです。マスターデュエルはシングル戦なため、サイドデッキで相手に合わせて入れ替えることはできません。そのため、自分のデッキの動かし方が出来る構築にしながら、対策カードを積まなければならない点がOCGと異なる部分だと感じています。
「結界像」モンスターや「壊獣」モンスター、「超融合」、「アーティファクト・ロンギヌス」、「次元障壁」、「ドロール&ロックバード」がほかのデッキを考えると採用しやすいかなと感じています。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。このほかに対策カードがありましたら、コメントで教えていただけると幸いです。また、もっとこうした方が分かりやすいよなどの意見もお待ちしております。ありがとうございました。
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